タンス預金を相続税対策にするのは今すぐやめよう・安全な対策あり

タンス預金を相続税対策にしようとする人は驚くほど多くいます。

しかしながら2024年7月新札が発行されるにあたり、タンス預金を相続税対策にするとよくないのではないかと感じるようになった人も少なくありません。

ここではタンス預金を相続税対策にするといいことはないと言い切れる理由を現実を踏まえて解説し、終わりに適法で安全な対策もお伝えしていますのでご参考ください。


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タンス預金を相続税対策にするといいことはない、その現実を解説

 

相続税ゼロを狙う人がよくやる手口は同じなので、結局国税に周到にマークされている

はじめにお伝えします。

ココに注意

国税庁は、「相続税がきれいに0円になったようなパターン」を徹底的にマークしているとか。

この理由は後述するように「すっかり相続性がゼロ円になるのが不自然だから」です。

まずはその理由の真相を理解するために、なぜ多くの人はタンス預金をしたがるのかを順を追ってみていきましょう。

相続が発生するとき一定の額の範囲内は課税されません。これを基礎控除と言います。相続の基礎控除金額は以下のとおり。

3000万円+【600万円×法定相続人の数】

資産8000万円を預金保有、法定相続人3人(配偶者と子供2人)がいる男性がいるとして、ここで課税対象とされる額は以下のとおり。

8000万円‐【3000万円+600万円×3人】=3200万円(⇒これが課税対象額)

さてこうした人はよく「課税対象となる3200万円超を生前タンス預金にして相続税を浮かせられないか。」と考えます。

つまり3200万円超のタンス預金で現金を家の中に置き、「自身の資産は4800万円以下しかない」というストーリーを作って相続性を浮かせたらいいかな、なんて考える人が多いのです。

当然家の中に置く3200万円はタンス預金として妻子に残すわけですが、これを生前告げる人もいれば告げずに急遽する人もいます。

ここで冒頭にお伝えした注意点を。

ココに注意

国税庁は、「相続税がきれいに0円になったようなパターン」を徹底的にマークしているそうです。

上述のように8000万円の預金があって生前3200万円を預金から引き抜いてそのあと現金の消息が消えているようなパターン。その金額で家も高級車も購入した記録がない。

ココがポイント

国税庁が疑う理由は、「相続税がきれいにゼロになったようなパターンは強烈にタンス預金の匂いがするから」。

また、以下のような視点でも税務署は目を光らせています。

タンス預金を隠し持っていないか?税務調査の対象になりやすいのはこんなタイプ

「うちはそんな遺産が多いわけではないし、税務調査の対象にはならないよね」といった感覚でいる方も少なくないと思います。

相続の額が大きければ税務署の調査対象になる傾向は高いかもしれませんが、もっと調査対象になりやすいのは以下のようなパターンです。

これが怪しまれるパターン

【被相続人の生前中の収入と相続される財産の額】と【申告額】に差が大きい

税務調査では被相続人の預金データを10年分チェックする権限があります。特に綿密にチェックされるのが被相続人が亡くなる1年前の期間の入出金についてです。

さらに言うと、相続人の通帳もチェックされます。つまり被相続人と相続人の通帳を照らし合わせておかしなところがないかを確認していくわけですね。

貸金庫に資産を入れているケースもあると思います。銀行側では誰一人として貸金庫は開けさせないどと言って金庫を貸すようなケースが多いようですが、しかし税務署は相続人に対して「貸金庫を目の前で開けてください」という権限があるのです。

なぜタンス預金を税務署が察知するかと言えば、以下のように税務署は特別な嗅覚を持っているからです。

タンス預金を調査しにくる税務職員の嗅覚は犬並み

タンス預金はなぜ国税調査官ににバレるのでしょうか?

タンス預金で相続税逃れしようとする人の手口はとても似ている

タンス預金で相続税逃れしようとする人が現金を隠す場所は以下のようにとても似ているそうです。

  • 床下(畳の下も含む)
  • 屋根裏部屋
  • 植木鉢
  • 金庫
  • 本棚の本の中とか
  • カーテンの上の方の縫い目の中
  • 車のトランクの下のスペアタイヤのスペース

どうでしょうか?「なるほどそうか」なんて納得できそうな気もしてきます。

調査官はプロゆえにプロとしての嗅覚を持っていますので、タンス預金のありかを嗅ぎ分けて上のような場所に現金を探し当てるそうです。

生前のお金の流れを把握する強い権限を持っている

さらに税務署はKSKと呼ばれるシステムで、以下のようなお金の流れを把握する権限があります。

  • 生前中の収入
  • 生活費に使われた金額
  • 家・車・金(貴金属)など大きな出費では登記や登録制度で把握される
  • 生命保険については生命保険会社側で税務署に情報提供される

さらに詳しく

このようなお金の流れを見て、相続の申告として出てきた額が調査とあまりにかけ離れていると、「おかしい」と疑われます。

調査に踏み込む前に張り込みしている

1000万円をこえるようなタンス預金が家の中にあって税務調査が入るとき、調査員はいきなり黒判定をしているわけではありません。

生前大量の現金をガサガサ隠しているような行動すら張り込んで見ているとか。

私の場合は大丈夫、調査なんて入らないよね。。と思う人が圧倒的だと思いますが、以下の例で結構ゾッとするのではないかと思います。

タンス預金のお金の動きを証明できないのが一番危険、この意味は

以下のようなパターンはおそらくAさん本人は何も悪気がないように思えるかもしれません。

バッチリ調査の対象

  1. Aは生前親から6年間毎年110万円を現金で贈与され、タンス預金として保有していた
  2. Aはタンス預金660万円を住宅購入の資金に使い、残りの住宅取得資金は自分自身の預金からねん出した。

税務署は嗅覚をクンクンさせながら「660万円の現金って何?どこから持ってきたの? 親から一括で贈与されたんじゃないの?」と疑いをかけます。

もしAさんが親から預金で振り込みされていたら「親から生前贈与されていた」という記録が残りますので、何のお咎めもなく済みます。

つまり合法的に贈与されていたという記録が残っていれば疑われる余地はありません。逆に言うと、タンス預金で660万円貯めた記録を証明できないために、疑われるのです。

どうでしょうか。想像以上にタンス預金のリスクは高いのです。

このタンス預金の金額が大きければ大きいほど最悪逮捕にもなりえ、相続で脱税していると判定されて刑事起訴されたらならば、99%有罪判決が確定すると言われています。


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大きな買い物を現金払いしてタンス預金の存在を消そうとしてもバレる

「大きな買い物を現金払いにすることによってタンス預金をなかったことにしようと考えている人」も少なくありません。

大きな金額の買い物は家とか車でしょうか。

新札発行前、高級車でも購入するかと思い立ち、2024年7月以降に福沢諭吉のお札を600枚現金で持ち込んだ人がいるとします。

この高級車ディーラーは旧札600枚を受け取っていいのかちょっとためらって国税庁に問い合わせする可能性が高いです。

現金を銀行に持ち込んで会社の口座に入金しようとしても、銀行は「このお金はどうされましたか?」と問われます。

特に銀行では犯罪収益移転防止法という法があり、疑わしいケースについては国への報告義務があるのです。

ココに注意

すると国税庁も銀行も「その600枚の旧札を持ち込んだ顧客は誰?」というように問いますので、そこから情報を辿ってタンス預金のロンダリング的な買い物だったのではないかと疑われるようになります。

いずれにしても、大きなタンス預金額は現金のままだとあまりに不利です。

相続税の申告を怠ると、以下のような手厳しいペナルティがありますので、「タンス預金はいいものではない」とお分かりいただけると思います。

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タンス預金、ペナルティを超えるほどありがたいメリットってある???

さて、タンス預金のデメリットをおさらいの意味で挙げてみたいと思います。

タンス預金のデメリット

  1. インフレや円安が進行すると、資産価値が減り続ける
  2. 相続税逃れと判定された場合、追徴課税が想像以上に手厳しい
  3. 預金したときのような金利が付かない
  4. 入出金の記録が残らない
  5. 万一旧札が使えなくなった時に紙切れとなる
  6. どこに保管していたか忘れることがよくある
  7. 遺産トラブルの火種になりやすい(上述したような相続トラブル)
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特に1のインフレや円安について、以下のような恐ろしい資産価値の下落に気付かない人も多いです。

日本円はインフレ円安進行すればするほど、恐ろしい価値の下落が起こる

  • 【2012年・1ドル80円】1000万円日本円をタンス預金にして保有
  • 【2023年・1ドル130円】1000万円の資産価値はドルで換算すると43%下落

タンス預金にして1000万円を保有している限り、額面は1000万円でかわりません。

注意

しかし、輸入大国日本で暮らしている限り、「ガソリン価格が上がった。小麦の価格が上がった。」といったことに遭遇しないほうが珍しいでしょう。

以前まで購入できていた量が、数倍コストを出さないと買えなくなるのが円安やインフレの恐ろしい現実です。

上の実例では43%日本円の価値が下落しており、「タンス預金にしておくだけで不利でしかない」というのがわかります。

インフレ円安時の資産は、円通貨と米ドルに分散して保有するなどして資産が下落しないように意識してみましょう。

タンス預金で被るデメリットは想像以上に大きく、以下のようにメリットはごくわずかでしかありません

タンス預金のメリット

  • いつでも好きな時に使える
  • 日本の財政破綻や金融機関の破綻による影響を受けない
  • 国に資産を把握されずお金を貯め込める
  • 相続時に口座が凍結されてもタンス預金で保有している限り自由に使える
  • 日本の銀行に利子があってないようなものなので、自宅に保管でも変わらない

タンス預金を移す安全な対策

タンス預金はリスクが大きすぎて決していいものではありません。とは言え今まで手元にあったタンス預金をどうすればいいのか具体的な方法が見当たらない人がほとんどでしょう。

国に資産を把握されなくて済むというのが一番居心地の良さを感じてしまうポイントかもしれません。これと同じような効果を持つ古くから行われている適法な資産防衛方法があります。

ココがポイント

「預金したとしても日本政府に口座情報が開示されない」というのがそうした方にとって一番安全といえる対策なのではないかと思われます。

法的に適正で一番安全と考えられる方法をお伝えします。まずはお悩みや不安をありったけご相談ください。

弊社ではタンス預金にまつわるご相談をたくさん受けてきた経験から、お客様一人一人に合った運用方法をご提案させていただきました。

気になることがあればいつでもご連絡ください。誠心誠意不安が解消されるようお導きさせていただきます。


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  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。