国家破産の事例・他人事他国事じゃない恐ろしいディストピア

ここでは他国の国家破綻の例としてロシアやアルゼンチンの例をお伝えしながら、いかに現代の日本に国家破綻が現実化しやすいかをご紹介します。

国家破産は決して向こうの国の惨事ではありません。戦後の日本でもハイパーインフレ抑制や国の債務を帳消しする目的で預金封鎖が行われ、事実上の国家破綻が起きました。

以下のとおり過去を振り返っても世界中のどこかの国が国家破綻に陥っており、「この先の日本でまさかそんなことが起きるはずないよね」などと言っていられない事態が来るかもしれません。

  • 2000年代:アルゼンチン
  • 1990年代:ロシア
  • 1980年代:メキシコ・ブラジル・フィリピン・南アフリカ

ソ連・ロシアの場合

大統領辞任を表明する直前のゴルバチョフ氏

1991年ソ連はエリツィン・ウクライナ・ベラルーシによりソ連は消滅したと告知され、当時のソ連大統領ゴルバチョフはクリスマスに辞任を発表しました。

ロシアはさまざまな民族が寄り添い合いながら集う共和国の形を成していましたが、民族的な内部分裂で軋轢が高まって崩壊に至っています。

崩壊前後、ソ連のインフレ率は2500%程度たったと言われており、ソ連市民の生活は大混乱に陥ります。

一年で物価が25倍に、そして逆に通貨の価値は一年で1/25に暴落したことになります。

「売れる商品がない店」に押し掛けるソ連市民 AFP時事

以下のとおりソ連崩壊後の1992年から1998年に至るまでのルーブル通貨における変更は著しく、国民生活の混乱がありありと伝わってくるほとです

単位:ルーブル → 1,000 5,000 10,000 50,000 100,000 500,000
1992年 新札発行
1993年 新札発行
1994年10月 ロシアルーブルの大暴落 ルーブル通貨を1/1000にするデノミ(通貨単位の強制的切り下げ)が行われる。
1995年 デザイン刷新 新札発行
1996年 新札発行
1998年1月 預金封鎖が実行される

1998年の1/1000デノミについては文字通「ルーブル通貨の価値を一瞬で1000分の1にする」ことに外ならず。

1億円持っていたら10万円の価値に成り下がるので、持っている資産がほぼ価値を失っているも同然と言えるほど。

しかしこの1998年のデノミは、悪夢の前触れでしかありませんでした。

恐ろしいデノミの後、ロシアは景気が良くなってちょっとしたバブルが訪れて株価と金利の上昇が起こり、どんな国民にとっても安心や安定を感じられるような状態になっていました。

事実、ルーブルをアメリカドルに変えたのち再びルーブルに戻し、ロシア国内の銀行にお金を貯蓄する国民が増え、ロシアという国家は国民から再び信頼に足る国とし見られるかのようだったかもしれません。

ココに注意

しかしまさかここからまたデノミ以上に国から恐ろしい仕打ちがやってくるとは想像もしなかったでしょう。

デノミの4年後1998年に預金封鎖が起こりました。預金封鎖の実態は「銀行から出金できない・お金が自由に使えない・企業間でお金のやり取りができない」といった通貨使用の制限がかかり、極めつけはこののちに財産の没収まで行われています。

当時のソ連国民のだれ一人としてこのような預金封鎖や財産没収など予想もしていなかったと言います。それほど危機が一度起こったらあっという間にこのような事態に陥ってしまうのです。

補足

  • 1993年:旧ソ連期の硬貨は流通しなくなる
  • 1995年:1993年以前に発行された旧紙幣が流通しなくなる。

今でこそソ連(おおむね元ロシア)とウクライナの仲の悪さはよく知るところではありますが、この頃すでにデットヒートとも言え、ウクライナはソ連からルーブルを取り上げられ、これは「ウクライナという場所で通貨がなくなった」ことを意味しています

この頃ウクライナでは商品と交換できるクーポン券のようなものが配布されていたとか。信じ難い扱いです。

jp.quora.com

ロシアの場合2024年に至ってもウクライナ侵攻が続いており、手厳しい国際制裁を受けても今なお不気味な余裕すら見せています。

現状は国というよりほぼプーチンの独裁ですので、今後も余波として似たり寄ったりの国家破綻がやってきてもおかしくないでしょう。

アルゼンチンの国家破綻

アルゼンチンは19世紀移行、先進国から転落し、9回債務不履行を経験した国として知られています。

アルゼンチンの財政難や経済危機が恒常的であるという点は、同様に財政難と経済的に瀕している日本が大いに歴史に学ぶところがあるのではないかと思うのです。

それでは過去のアルゼンチンの国家破綻を紐解いていきたいと思います。

前述の1998年のロシアの国家破綻の影響はアルゼンチンにもおよびました。

金利の高さから国債による資金調達が叶わず、2000年秋にIMFが金融の引き締め対策を前提に支援を開始します。

不運なことにこの結果アルゼンチンはGDPがマイナス10%に触れ、債務支払い停止宣言に至ります。

2001年から財政・国内経済の悪化が深刻になり、ついに預金封鎖をせざるを得ない事態になりました。

フェルナンド大統領は辞任に追い込まれ凍結した預金を解除したものの国民の預金は帰ってこない。

何と現預金は国債として発行されました。国家破綻した国の国債を預金の代わりとして持たされ誰が歓迎するというのかという話ですが、もちろん国民の批判を買ってさらに迷走するわけです。

アルゼンチンの預金封鎖で行われた政策

  • 銀行預金での出金制限:週250ドルまで(外貨への流入の防止)
  • クレカやデビットカードでの支払いは制限なし
  • 海外送金は原則制限なし
  • 海外送金はドルに限定

鉱山資源が高騰し貿易赤字が改善、対外債務は縮小に向かうことになります。

IMFへの返済は20006までに終結したものの、リーマンショックの影響を受けて対外債務の返済見込みはなくなる、こんな負のスパイラルの繰り返しでデフォルトが今までに9回も起きました。

2024年の現在、アルゼンチンは政策金利を118%から133%に引き上げています。

日本の政策金利は 0.10%、米国英国は 5.25%ですので、異常な金利の高さです。

インフレ率で言えば2023年の年末には160%となり、10円程度だったバスの乗車料金は125円程度に跳ね上がりました。不安定が恒常的になっており、一度負のスパイラルに陥るとなかなか抜けさせないことを物語っているように思えます。

 

 

日本の国家破綻について

2001年当時国家破断を起こしたアルゼンチンの債務残高は16兆円。当時のアルゼンチンのGDP比率で言うと50%に過ぎない借金です。

一方2023年の日本の債務残高は1200兆円、GDP比率で言えば2.5倍超。

国家破綻したアルゼンチンよりはるかに過激な状態が続いており、事実「いつ破綻してもおかしくない」と見て間違いありません。

日本はかつてのような安全安心・なんの不安もなく生きていける国ではありません。

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豊かに暮らしていくには、知識をストックするだけでなく実際の行動が必要な時代となっています。

ココがポイント

「何もしない=特に日本円による普通預金」ことが先々の日本で最もリスクが高くつきますので、ロシアやアルゼンチンの歴史に習い、「資産を国外に退避させる考え方」が必要なのです。

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LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。