今知っておきたい資産防衛策・FPが解説するお金や経済の情報が濃い

円安の進行・物価上昇で「これまでのやり方でお金が守れるとは思えない。。」と漠然とした不安を抱える人は増えています。

ここではこれから日本で生きていく上での資産防衛対策をFPの立場からお伝えしていますので参考にされてください。

日本という国に生きている限り、環境・制度・法律などには抗えません。働いても働いても残るお金が少なすぎて凹む…このままだと先細りがますます不安、といった方は有効な情報にしていただけるはずです。

こんな方が読むといいかも

  • タンス預金を持っていて、実は預け先があればいいと思っている方
  • 円安が進行している中で資産の目減りが気になる方

今の日本の状況とこれからに見合った資産防衛対策ってどんな?

まずは資産を防衛する対策の前に、今の日本と世界の状況を簡単に見ていこうと思います。

日本の状況を知ると、その状況がどうお金に影響しているかがわかります。知らないと対策は効果が限定的になってしまうので把握しておきたいですね。

今の日本の状況

今の日本を表すのは悪い物価上昇と、円安ドル高傾向でしょう。

この2つは「残るお金が少ない・銀行にお金を預けても増えずに高金利なアメリカドルを買おうとする動き」を意味しています。

悪い物価上昇(インフレ)

インフレは賃金が上昇し、適度に経済が刺激され、物価が上昇していくパターンが一般的です。

今の日本は悪い物価上昇(インフレ)にあると言われ、その理由はウクライナ戦争によって原材料や燃料が高騰した結果起こっているため。決して景気が良くなって起こっている物価上昇ではありません

日銀はもともと2%のインフレを目指しており、この悪い物価上昇で奇しくも達成されてしまいました。「実質的に景気が良くなって達成した物価上昇ではない」ので、決して”個々人の収入が上がって日本経済も良くなっている”とは言えない状態なのです。

高騰したガソリンなどはとても分かりやすいですね。

注意ポイント

ウクライナ侵攻前の2021年には138円出せば1リットル買えたガソリンは、2024年現在183円出さないと買えません。

このように輸入大国の日本円の価値は外国との関係性で大きく変わり、「外国との関係が日本での生活に大きく影響」しているので、今までの日本円の考え方をアップデートさせるタイミングにあります。

「普通預金大好きな日本」のままでは先がない、これに尽きる話です。

銀行に置いたままの預金の額が全く変わらなかったとしても、昔と違って買える量やモノが減っている、これが今のお金の価値の本質。タンス預金も全く同じです。

原材料や燃料の高騰はウクライナ侵攻だけが理由でなく円安にも大きな理由があります。「円安の影響で輸入するにも以前より多い日本円を出さないと同じ量を入手できないから」といいった点が背景にあるのです。

「ドル高による円安」ではない

2023年から2024年にかけての円安ドル高も現在の日本の状況を色濃く物語るファクターとなっています。しかし現在の円安ドル高が「ドル高になったから円安になる」といった単純な理由で起こっているわけでもないのです。

現在の円安ドル高傾向の要因は「アメリカと日本の金利差」と「貿易赤字が拡大している」の2点から来ていると考えられます。

前者については金利が高いアメリカドルを買うために日本円が多く流出しているために起こっていました。

後者については特に日本人がアメリカのIT関連サービス(グーグル・メタ・アマゾン・アップル・ネットフリックスなど)に課金している額が巨額になっており、結果貿易赤字が拡大している大きな要因となっています。

アメリカのIT関連サービスに円を支払う額が増えることで円が流出し、これが円安を進行させるのですね。

こう言われたとしても、便利でコンテンツも豊富にあるネトフリやDAZN、誰も解約しません。日本にそれらに匹敵するサービスないよなあ、。仕方ないよで終わりです。日本にお金はもたらされません

これら悪い物価上昇と、金利差と貿易赤字が招く円安ドル高は悲しいかな即抜本的に改善されることはないでしょう。

超有名なエコノミストさえも「日本の活路はアメリカの不況を座して待つことにある」など発言することが普通になってしまい、なんとも心許ない状況にあります。それだけ日本は打つ手がない状況にあるのです。

悪い物価上昇の背景にある景気鈍化と円安に共通している背景は、日本経済の弱体化や少子高齢化。

個人で何とかできる問題ではありませんので、現状に沿った綿密な対策が重要になっています。

円安局面の資産防衛

Contents1 株価最高値は、バブルや好景気を意味するわけではない2 円安に迫り来ているリスク3 円安局面の資産防衛3.1 日本人の金融資産の内訳、に見る危機意識ストロングゼロ感3.2 円安ドル高 ...

続きを見る

日本という国で生きていく上でこの抗えないような要因に得策はあるのでしょうか?

今の日本とこれからに見合った資産防衛対策・資産運用ポイント

今の日本とこれからに見合った資産防衛対策・資産運用のポイントは、分散と長期的な視点をもつことにあります。

資産の置き場所を分散すればリスク回避できたり、長期的な考えで資産を増やす視点だと短期的に資産の減少が起こっても一喜一憂せずに済みます。

具体的な資産防衛対策として、貴金属・投資信託・海外銀行による定期預金・不動産投資などをご紹介しましょう。

貴金属などの現物資産

出典:時事通信ニュース

金は今から8000年前にエジプトの王などの装飾品として用いられており、価値を認められている信用性が高い貴金属です。地球上にある絶対量が決まっていることも稀少価値を高める要因となっています。

上のグラフを見ると、同時多発テロ・リーマンショック・コロナ・ウクライナ戦争といった危機の度に金の価格は上昇してきました。

歴史的にも世界を揺るがすほどの危機に直面すると株式などの金融商品は影響されやすいですが、金のような貴金属は安全だとしてニーズが上昇するのです。

金のような現物資産では、他にダイヤモンド・銀・ロレックスなどの時計などが注目されています。

投資信託

投資信託については新NISA制度で認知度が高まっており、すでに始めている方も多いのではないでしょうか。

新NISA制度の中ではオールカントリーが手数料が低くおすすめ。全世界の株式に連動しており、この銘柄を持つだけで国際分散が実現しやすいです。投資がほぼ初めての方にはうってつけの銘柄となっています。

投資信託については特に長期的な視野で取り組み、20年超の時間で益金を確保していくような考えでいるといいのではないでしょうか。

しかしながら信頼性が最高峰ともいえるオールカントリーであっても投資には変わりないので、資産のうちの3割以下にとどめておくのが良いのではないでしょうか。

海外銀行口座による定期預金

投資は値動きがあり元本が保証されているわけでもありません。よって次は金利が確定している銀行預金を考えてみたいと思います。

日本の銀行預金はゼロ金利に等しいため、重要性が増している海外銀行の預金に着目してみましょう。期待できる効果としては以下3つがあります。

  • 躍進する海外の国の高金利で運用できる
  • 通貨を分散して資産の目減りを抑制できる
  • 日本政府の管理下から回避することで日経新聞も報じる財産税の課税対象となることを回避できる

税制・社会制度・物価高騰により個人がお金の面で工夫できるにも限界があり、この資産防衛策が一番抜本的になるのではないでしょうか。

詳細

アメリカドルで海外銀行の口座開設する重要性が増している理由

  Contents1 今アメリカドルで海外銀行の口座開設する重要性が増している理由1.1 日本で生きていくうえで、環境や制度面で抗うにも限界がある1.2 資産を防衛するために知っておきたい ...

続きを見る

アジアンバンクキャピタルトラストの概要・Asian Bank capital trustの概要

こちらではWEBで口座開設できる海外銀行として知られるアジアンバンクキャピタルトラストの概要についてお伝えしています。 オフショア・海外銀行の口座開設先をお探しの方はご参考ください。   将 ...

続きを見る

ご注目

財産税に関しては、来るべき未来に必ずとおっしゃっていた元国税職員さんを知っております。戦後のハイパーインフレ時に財産税は実際ありましたので、決して幻のような話ではありません。

ココに注意

財産税が決行されなければそれでよかったねで済みますが、決行されてしまったら課税されて後の祭りです。

不動産投資(エキスパート向け)

最後は不動産投資による資産防衛策です。

都内の一部の地域では2LDKでも2億が当たり前!と史上最高値を更新中の不動産価格。不動産不安が続く中国の投資家が、割安な日本の不動産に投資するケースが増えて価格が上昇しやすくなっているそうです。

不動産についても資産価値が海外との関係で決まる好例になっていますよね。都内の物件に限らずもちろん収益性の高い物件はたくさんあります。

しかしながら不動産投資は気軽にできるわけではありません。投資初心者が手を出すような資産防衛対策でもないですし、当然ながらそれなりのローンを組んでの話になるでしょう。

夫婦でペアローンなどはのちのトラブルも多くなっているので、ローンを組む前に法律のエキスパートを交えて慎重にされてください。

  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。